がんの「保険診療」と「自由診療」

がんの治療には、大きく分けて保険診療と自由診療があります。保険診療は、厚生労働省が認可した治療のことです。科学的な根拠に基づいた治療であり、効果が高いとされています。これらの治療を「標準治療」と呼んでいます。標準という名称から、「基礎的な治療しか受けられず、高度な治療は自由診療でしか受けられない」と理解している人がいるようですが、これは誤りです。最も効果的な治療が標準治療です。ですから、がんは、まず標準治療を軸に進めていくことが大事だと言われます。

一方で自由診療は、厚生労働省が認可していない治療のことです。臨床試験の終了していない抗がん剤や、実績の少ない治療法は、健康保険の適用とならず治療費は全額自己負担となります。

保険診療とは

保険診療とは厚生労働省が効果を認めた治療で、標準治療と呼ばれます。保険適用となるために、科学的な評価メカニズムを経て、承認されます。
新薬が保険診療として認められるプロセスを見てみましょう。

まず、第一段階で細胞やマウスを使った基礎研究を行います。次に第二段階から第四段階までは、人に対して毒性があるか、効果が確実にあるのかの判定を行っていきます。
こうして選ばれた、10,000分の1となるエリートの治療薬が標準治療です。冒頭で最も効果的な治療とお伝えしたのは、このような理由からです。

この標準治療は保険診療となっているので、健康保険に加入している全ての人が、一定の自己負担割合(1~3割)で受けられます。
また、高額療養費制度を活用することで、1か月にかかる医療費のうち、一定の金額を超えた部分は払い戻されます。

自由診療とは

自由診療とは、健康保険が効かない治療です。
保険診療と異なり、患者と医療機関との個別契約となるため、治療の内容や費用を病院側が自由に決められます。

例えば、海外ではがん治療に有効だと認められている抗がん剤でも、日本では未承認のため自由診療となるものがあります。例えば2023年3月31日時点では、182の抗がん剤が日本では未承認または適応外薬となっていますが、これらは米国もしくは欧州では承認されている薬です。また、最近では「光免疫療法」などの自由診療も行っていますが、自由診療のため治療代が高額になる場合がございます。

メインの治療法は3つ

標準治療には一般的に「手術療法」「放射線療法」「化学療法」の3つがあり、状況によって2つ以上の治療を組み合わせることもあります。
たとえ同じがんでも、人それぞれ、がん細胞の悪性度や遺伝変異の状態などが微妙に異なります。また、がんの進行度も異なります。ですから、一人ひとりの体型にあわせて服を作るようなオーダーメイドの治療が必要になってくるわけです。

がん保険の備え方は

メインの標準治療である、「手術」「放射線」「化学療法(抗がん剤等)」の保障を備えることはもちろん、長期治療に備えるために『それぞれの治療が保障される期間』についても考えておくことが重要です。また、薬等の副作用や治療による合併症のため免疫力低下に伴う「免疫療法等」を行った場合は、治療費が実費負担となる場合もあるため、「一時金」の保障についても備えておくことをお勧めいたします。

現在、がん保険をお持ちの方は、こうした保障が付加されているか当店にて確認をすることができます。是非、お気軽にご相談ください。

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